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俺の隣にいればいい
第2章 隣人、侵入。

門倉を抱きしめていた手が背中を這い上がり、うなじを撫で上げる。
ゾワリと皮膚が粟立ち門倉は小さく『あっ』と声が出てしまったことに慌て、唇を噛んだ。
「かわいい」
頭部から離れた鼻が移動し耳元へ
甘い声が耳を震わす。
相変わらず、うなじを触る手と門倉の臭いを嗅ぐ行為は止まない。クスクスと笑いながら、門倉の反応を楽しんでいるように感じた。
「や、やめろよっ!キミ、ケンカしてたんだろ?こんなことしてないで、早く出て行ってくれ!」
力いっぱい、グイグイと胸板を押すが貧弱な門倉の力では日頃鍛えているだろう厚い胸板はびくともしない。
「つれないなぁ。ねぇ、俺達の声聞いて一人で楽しんだでしょ?……今度は二人で楽しもうよ」
門倉はハッとする。
ふいに八代の顔が近付いてきて、瞬間的にキスされると思った門倉は咄嗟に八代の唇を右手で塞いだ。
そのままお構い無しに近付いてきた八代は、右手越しにキスを実行した。口を隠されていても目だけで、不機嫌になっていることが分かった。
「……キスさせてよ」
くぐもった声で訴えてくる八代。右手を離せば即キス…という距離、掌に熱い息がかかりくすぐったい。
「ダメに決まってるだろ。早くか・え・れ!」
門倉は空いている左手でドアを差す。そんな動作の最中に掌に息ではない別の熱が触れた。
「な……なにっ………んっ!」
不覚にも感じて声が出てしまった門倉は
恥ずかしさで顔が熱くなる。
チュ…チュク…と音を立て、八代は掌を舐め指を一本づつ形を確認するかのように、しゃぶり舐めている。
八代の舌が門倉を狂わそうとしていた。
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