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俺の隣にいればいい
第1章 偶然とはいえ…

門倉は普段、滅多に動かさない身体にムチ打って全速力で走っていた。
今日、式部と会う最大の理由である原稿を、おもいっきり部屋に忘れて来たからだ。
足はカクカクと震えるし、息は絶え絶え目も霞み目眩もする。
引き込もってばかりいちゃ駄目だな…と反省しつつ式部曰く、ボロアパート寿荘にたどり着いた。
家賃3万円の共同住居。学生寮のような感じで部屋だけを借りて、風呂、食堂は一階にある共通のものを利用する。
玄関を入り、右手にある階段を上がると向かい合う三つのドア。一番奥になる1号室が門倉の部屋だ。
門倉は這いつくばり廊下を進む。
頭の中は原稿と、待たせている式部の怒り顔で一杯だ。早く早くと気ばかり逸る。
やっとたどり着いた部屋の前。
ドアノブを支えに立ち上がり、ドアを開けた門倉は原稿を目にする前に真っ白になり、固まった。
「ぁんっ!あーーーっイクッ!!」
そんな声と共に門倉の足下に、白い液体がパタパタと落ちてきたのだ。
え、まさか…?
と、思いつつゆっくりと視線を上げると、頬を赤らめ肩で息をしながらクッタリと身体を横たわらせる男と、まだ達していない熱い象徴を男から引き抜き、門倉に向かって歩き出そうとしている所だった。
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