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俺の隣にいればいい
第2章 隣人、侵入。

門倉は締め切りが近い時や、ノッている時は食事や風呂、トイレなどに時間が取られるのが惜しく机にかじりついて離れなくなる。
そんな日が何日、酷い時は何週間も続き心配した式部が食べ物を与えてしのいだりすることが多々あるのだ。
「締め切りも大事だけど、人付き合いや自分の身体も大事よ。ちゃんと食べて、運動して、交流を持ちなさい!」
バンッ!と背中を叩かれ、口に含んでいたお茶を吹き出しそうになったが何とかとどまった。
周りに心配される生活をしていたのかと、皆の温かさを知るのと同時に、反省した。
最近、反省する事が続くな…と自嘲気味に笑いながら、湯呑みを片付け部屋へと戻った。
その日の夜
机に向かい資料整理をしていると、壁の向こうから『あっ…ぁん』と情事の声が聞こえてきた。
間違えてドアを開けてしまった日から、昼夜問わず壁の向こうから聞こえてくるようになり、今までは遠慮していたのかもしれないと思わせた。
だが、酷い時は一日中なんて事もあり……
初めは惑わされ、声を聞きながら自慰行為をしたこともあったが、最近は『またか』と思う程度にまで慣れてしまっていた。
今はヘッドフォンをして音楽を聴いたり、仕事に集中してしまえば全く気にならなくなった。
今日はただの資料整理なので集中度は低い。
ヘッドフォンをしてお気に入りの音楽をかける。数時間もしたら静かになるだろう、そんな軽い気持ちでいたのに、今日はいつもと違っていた。
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