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人妻の欲望 ――短編集――
第3章 クリスマスパーティー


「綾は旦那さんとどうなのー?」


「えー…んーとね、特に何もないかなー。」


「またまたー!絶対嘘でしょー!」


みんなは私を茶化しつつ、自分の恋模様を話す。




私だって――


もっと遊びたい――――




時計を見ると、0時を過ぎる頃だった。


「私そろそろ帰るね、ごめん。」


「綾帰っちゃうのー!?そうだよね、人妻は大変だよね!また会おうね!」


今日は久しぶりに遊んだ。


仕事も連休貰ってるし、旦那は出張でまだ帰ってこない。


私はみんなに別れを告げ、黒いロングコートに身を包みとぼとぼと歩く。


結婚してからはもちろん、男遊びなんてしてない。



ただ、みんなの恋バナを聞いていたら


ムラムラした。


サンタさんのワンピースが、私の身体には窮屈で


ちょっと息遣いが荒くなる。


呼吸が早くなるのを感じながら歩いていると、


遠くにコンビニが見える。


特に用事も無いが、入ってみる。


「いらっしゃいませー!」


そう言うのは、いかにも学生のバイト風の青年だ。


前髪にはアイロンがきっとかけられていて、


まっすぐに伸びている。


顔立ちは整っていて、モテそうだ。


ふーん――――


私は黒いコートの上からボタンをひとつずつ外しながら、


店内を一周する。


私は雑誌コーナーから、いかがわしい雑誌を一冊手に取り、


レジに持っていく。


「いらっしゃいませー」


彼は雑誌を見ると、チラッと私のほうを見る。


黒いコートの中には、サンタさんのコスプレ。


下は黒いストッキングがムチムチとしており、


学生さんには刺激が強いかな。



彼の目が泳いでいるのが分かる。


彼が提示した料金に、一万円を払う。


彼は動揺を隠しきれてないのか、


口が開きっぱなし。


彼からレシートとお札を最初に貰う。



そして、


彼の小銭を渡そうとする手を両手で捕まえてみる。


「え……え……ちょ…」


「つーかまえた!」


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