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私は犬
第19章 任務遂行致します
翌日

第1営業部に顔を出す。今日は剛ちゃんのせいで普段より遅くなった…。ドレスなんて、何でもいいじゃないっ。あんなに入念にアレコレする必要なんて無いわよっ!お仕事するための作業服なんだからっ。

それにあのお靴。玉を鼻先に乗せたアシカの人形がヒールになっているハイヒールなんかで、よく歩けるわねっ。そのうち転ぶわよっ!どうせならスカートでも履けばいいのに、いつもおズボン。室内でお帽子被ったままもマナー違反よ。

「九宝さん?聞いてるの?」

しまった…。鮎川さんの前だった。ドキドキしながら顔色をうかがうと、眉間にシワを寄せて睨んでいた。

「まぁいいわ。所で、その時計だけど、どうしたの?」

め、目敏いわ…。そのお顔ちょっと怖い。

「自分で買いました。」

間違っていないわよね。ちゃんとお金だって払ったもの…。

「そう。ならいいわ。速やかに業務に戻ってちょうだい。」

そう言われて席に戻ったら、笹木さんと池の平さんが、やっぱり目配せしあっていた。うーん…。嫌な感じ。

音羽さんが居ないから、みんな意地悪なんだわ…。気にしないで仕事に集中しよう…。

夕方になれば、ここのお仕事は終わるもの。そしたらバイバイだわ。

音羽さんが居ればいいのに…。
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