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私は犬
第19章 任務遂行致します
仕事を終えて、用意されたホテルの1室へ駆け込むと、既に剛ちゃんは待っていてくれて。やっぱりいつものように、下着とドレスを渡されて着替えて。鏡の前に座る………。あれ?髪にブラシをかける時間がいつもより長くない?あれ?兎のティッシュがある…。

「どうしたの?」

「何でもないわよっ!」

じゃあ何で目が赤いんだろう?まさか…。あの彼氏にフラれたの?

「……大丈夫?元気を出して。きっといい事あるから。」

「いい事なら、あったわよ!凄くいい事あったわよ!あだじ生ぎでで良がっだっっ。」

と言って、後ろから抱きついてきた。ちょっと!鼻水つくからやめて!

「鼻…。がんでぐるわ゛……。」

そうね。珍しく意見が合ったわね。私も今はそれを最優先すべきだと思っていたの。

支度が終わると、音羽さんが来て、剛ちゃんは入れ違いに出て行った。何で?何で?何で?なんで?

「何しに来たの?何でここにいるの?」

「お前、聞いてないの?仕事だ、仕事。特殊任務だ。」

「特集人無?」

「あー…。違う、その字じゃない。今度、取り扱う商品の実地テストだ。」

「ふうん…。何すればいいの?」

「とりあえず、これはめろ。」

そう言って、左手をとって、指にドレスと同じ、露草色の石の付いた指輪をはめた。これは…。

「だめっ!その指にはめたら駄目よ。婚約者と勘違いされちゃうわ!」

「アホっ!勘違いさせんだよ!パーティー会場に敵が紛れ込んでる。産業スパイだっ。そいつらは、この指輪の事を知りたがっている。下手すれば盗まれるかも知れない…。まだこれ1つしか無いんだ。テストが上手くいったら、独占契約を結んでから、本格的な製造に入る。」

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