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私は犬
第19章 任務遂行致します
まぁ!大変っ!どうしましょう!盗まれたらテスト出来ないじゃない。

「これは発信器だ。で、こっちが緊急時用の通信機。」

どうしよう。ワクワクしてきた。映画みたい…。

「この通信機は両耳の穴にはめて使う。だが、これを使うと、緊急時に通信の声は聞こえるけど、通常会話が聞こえなくなる。」

「それじゃ困るわ。」

「だろ?だから隣に俺が立つ。」

「…………。」
余計、心配なんですけど…。

「本格的なテストだから、パーティーは本物だ。でも、敵がいるから1人は危険だ。カップルに見えれば都合良く欺ける、且つ安全だ。婚約者っぽいこの指が丁度いいと思わない?。」

「うん。思う。」

「でも耳が聞こえないと、挨拶できなくて困るだろ?だから、今から合図を決める。俺がお前の腰に手を当てるから、ここを触ったら、微笑んでありがとうございます。と言え。」

「で、こっちを触ったら、微笑みながら会釈しろ。念のため練習するぞ。」

触れる位置の違いが、微妙で難しかったけれども。数回練習したら、何とかなった。これでバッチリよ!

本格的に両耳の穴に通信機をしっかりはめて、テストもした。外から音が聞こえたら、通信性能が落ちるから教えろと言われて試したけれど、全く何にも聞こえないから大丈夫だった。今日の髪型は耳が隠れるし。

そのテストは、音羽さんに抱き締められながら、言葉が聞こえるかどうかを試す形だった。ちょっとドキドキしたけれど、何とか上手く誤魔化せたと思う。

さぁ。パーティー会場で本格的なテストをしましょう。私、頑張るわ。この指輪、おば様がお持ちの指輪みたいだわ。本物だったら高級品ね。


※そんな商品あるわけない。あったら困る…。そして、正式な婚約披露は、このずっと先。今回は顔見せ
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