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私は犬
第19章 任務遂行致します

これで何度目かしら?顔にインチキな笑みを浮かべてお辞儀をするのは…。あ、ちょっと!これどっちの合図だっけ?
「ありがとうございます。」
そう告げると、目の前の紳士は、立ち去って行った。横を見上げると音羽さんが神妙な顔をして立っている。何か言いたいのかも知れないけれども、今は聞こえないの。それはあなたが一番ご存知よね?そう思いながら睨み付けたら、やっぱり顔を赤くした。酔ったのかしら?
微笑みすぎて顔が痛くなってきた…。このまま顔が固まったらどうしよう…。
会場には孝徳さんも居た。にっこり笑って会釈をしたら、肩を揺らしながら横を向いてしまったのだけれども。何だったのかしら?その後、音羽さんの肩を数回叩いて、愉快そうにどこかへ行ってしまった。ほとんど挨拶終わったみたいだし、私、そろそろ休みたい…。せめて座りたい。
ドレスと同じ布が張られた、赤いソールのこのお靴、普段よりヒールが高くて足がとっても痛い。こうして音羽さんと並ぶと、あまり差が無い気もする。でも、5センチ位向こうの方が高いかも。
そう思っていたら、音羽さんが私の腰に手を添わせながら、会場の外へと歩き出した。
少し通路を歩いて、人気のない場所の片隅にある椅子に、座るように促される。腰を下ろすと耳から通信機を抜いてくれた。テスト終わったの?やっと耳が自由になった!音が聞こえるって素敵!
「ねえ。これは回収しなくていいの?」
そうそう。メインはこっちでしょ。早く外してよっ!左手を彼に差し出すと、
「………。そうだったな…。」
と呟きながら、私の手をとり。指輪に指を添わせて数回慈しむように撫でてから、そっと引き抜いて自分のポケットにしまった。
この指輪が好きなのかしら?だったら、自分ではめればいいのに…。
「ありがとうございます。」
そう告げると、目の前の紳士は、立ち去って行った。横を見上げると音羽さんが神妙な顔をして立っている。何か言いたいのかも知れないけれども、今は聞こえないの。それはあなたが一番ご存知よね?そう思いながら睨み付けたら、やっぱり顔を赤くした。酔ったのかしら?
微笑みすぎて顔が痛くなってきた…。このまま顔が固まったらどうしよう…。
会場には孝徳さんも居た。にっこり笑って会釈をしたら、肩を揺らしながら横を向いてしまったのだけれども。何だったのかしら?その後、音羽さんの肩を数回叩いて、愉快そうにどこかへ行ってしまった。ほとんど挨拶終わったみたいだし、私、そろそろ休みたい…。せめて座りたい。
ドレスと同じ布が張られた、赤いソールのこのお靴、普段よりヒールが高くて足がとっても痛い。こうして音羽さんと並ぶと、あまり差が無い気もする。でも、5センチ位向こうの方が高いかも。
そう思っていたら、音羽さんが私の腰に手を添わせながら、会場の外へと歩き出した。
少し通路を歩いて、人気のない場所の片隅にある椅子に、座るように促される。腰を下ろすと耳から通信機を抜いてくれた。テスト終わったの?やっと耳が自由になった!音が聞こえるって素敵!
「ねえ。これは回収しなくていいの?」
そうそう。メインはこっちでしょ。早く外してよっ!左手を彼に差し出すと、
「………。そうだったな…。」
と呟きながら、私の手をとり。指輪に指を添わせて数回慈しむように撫でてから、そっと引き抜いて自分のポケットにしまった。
この指輪が好きなのかしら?だったら、自分ではめればいいのに…。

