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私は犬
第19章 任務遂行致します
「これ、念のため警備に預けてくる。ここで待ってろ。」

「ええ。待ってるわ。」

「俺が戻るまで、絶対にそこを離れるなよ。分かった?」

「わかった……。」

うるさいなぁ。分かったってば。通路を遠ざかる彼の背中を見送りながら、足を解放してあげるために靴を少し脱いだ。

爪先に引っかけてぷらぷらと揺らしてみる。こうして改めて見ると、赤いソールは少しいやらしい気がする。というより、赤がいやらしいの?あれ?ヒールの高い靴がいやらしいの?うーん…。ソールを剥がせばハッキリ分かるかもっ!どこかに刃物は無いかしら?鋏でもいけそう。

「コバンワ。」

はい?碁盤和?聞き返そうと顔を上げると、この人はこの前の!今日は近衛兵を連れていないの?んー。日本語には日本語で返すべきよね?

「こんばんは。またお仕事ですか?」

「ソデス。チョナリシュワテモ?」

この雰囲気は…。座りたいのね…。取引先の方だから、お断り出来ないわね。

「どうぞ。宜しければ英語で会話しませんか?」

と、英語で告げてみた。

「ありがとう。助かるよ。」

と英語で返ってきたから、多分これが正解ね。

「音楽は何が好き?」

何これ。まさか、いつもの、つまらない会食がここで始まるの?

「僕はピアノが好きなんだよ。ショパンのエチュード。op10-4とか。後は歌も好きだな。ソルヴェイグの唄。君知ってる?」

弾けば弾けると思う。でも譜面通りに弾いたら、きっと指が痙攣する…。きちんと弾けたら素敵だけど、それは希望じゃなくて願望よね。

ソルヴェイグの唄?ああ、あれねグリーグの戯曲ペール・ギュントの。

「はい。存じております。」

「………。君も聞くといいよ。」

「僕はそろそろ行かなきゃ。またね。お話してくれてありがとう。」

ノルウェーの作曲家に用事は無いけれど……。どうしようかしら?
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