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私は犬
第24章 オシッコの穴*
「じ、自分で取り替えるっ!」
ああ。何て事だろう…。顔も知らない人に、そんな痴態をさらしていたなんて……。穴があったら潜りたい。
「まあ、自分で洗って取り替えるのも有りだけど、それはやめとけ。」
「なんで?」
「シーツは誰が洗濯してる?」
「んー。お掃除の人?それとも専門のクリーニング屋さん?」
「お前ん家の場合は、専属のクリーニング屋だな。そこで働く人たちは、お前の衣類やシーツを洗って報酬を得てる。お前がシーツを出さなくなったら、どうなる?」
「お仕事が少くなるわ…。」
「だろ?仕事が少なくなったら、報酬が減るんだ。そしたら、どうなると思う?」
その時、『あんたにこうしてお仕事を貰えなかったら、食べていけないのよ。』と昔の剛ちゃんの言葉が脳裏によみがえった。
そうか…。そうなんだ。
「分かった。人のお仕事はとらないわ。クリーニング屋さんが、ご飯を食べられなくなったら大変だもの。」
そう告げると、良くできましたとばかりに有史さんはにっこり笑った。
「じゃあ、私、泊まる準備をしてくる。あっちのお部屋、私の物が何もないもの。」
「あー…。それは心配すんな。全部、用意しといた。」