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私は犬
第5章 新しい生活へ
今日はとても疲れた気がするの。何でかしら?


廣徳さんたちはとてもお幸せそうに見えた。それなのに、お幸せそうなお二人を見ているだけで10年働き続けた労働者のような、とてつもない疲労感に襲われた。


人の幸せを心から喜んで差し上げられないなんて。私、人として間違っているんじゃないかしら?


そう思うのだけれど、間違いを正すために何をすべきか、この得体の知れない疲労感を消すために何をすべきか。さっぱり分からない



とりあえず、ゆっくり入浴して今日は寝てしまおう


明日も忙しい。しなければならない事、やるべき事がたくさん控えている。近藤さんがメイクを教えにいらっしゃる予定だし

あぁ…。お仕事で履く靴で少し歩く練習もしなくては。きちんと歩けなかったら恥ずかしいもの…。


それと…。明後日のお洋服のチェックをして、そして会社までの道をもう一度歩いて確認して、それから…。

バックの…中身を…点検…し……て…。






肌寒さで目を覚ますと早朝だった。ソファーで膝掛けにくるまりながら、うたた寝してしまったらしい


慌てて飛び起きてシャワーを浴びようとバスルームへ向かう。


起きたばかりなのにこんなに疲れているのは、ソファーで寝たからね…。きっと
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