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私は犬
第26章 大切なこと*
自宅に戻ると、早急に荷物をまとめて空港に送った。手ぶらでも行っていけない事はないけど、やっぱり色々必要だもの。
それから、マンション内のジムに行って、マシンで思い切り走った。頭の中のくだらない考えが、全部消えてなくなるまで走った。それからさっさと入浴を済ませて、有史さんが帰宅する前に、とっとと寝た。
明け方、目を覚ますと有史さんが隣で子供みたいな顔をして寝ていた。
顔が少しだけ、疲れているみたいに見える。
長い睫毛が綺麗…。さらさらの髪を起こしてしまわないように注意しながら、こっそり撫でてみる。それから、自分の人差し指にキスをして、有史さんの頬にその指先を、そっとあてた。
朝がくる前に、有史さんが目を覚ます前に、もう行かなきゃ。
「こら…。どこ行くんだ…。」
ベッドから足を下ろした瞬間、そう言われて、ベッドの中に引き戻された。ちっ、髪なんか触らなきゃ良かったっ!
「仕事に行くの。だから手を離して。」
「お前は……。夜中の3時に出社する奴がどこにいる。大人しく寝とけ。……チケットはキャンセルしたぞ…。」
はい?今、何て?
「なんで…。知ってるの?」
「専務から連絡がきた。会社の経費で、私用で海外に行くな…。せめて自分のカードを使え…。」
「…………。」
中田さんに、お仕事ですか?と聞かれて、勿論と答えたのがまずかったの?
それから、マンション内のジムに行って、マシンで思い切り走った。頭の中のくだらない考えが、全部消えてなくなるまで走った。それからさっさと入浴を済ませて、有史さんが帰宅する前に、とっとと寝た。
明け方、目を覚ますと有史さんが隣で子供みたいな顔をして寝ていた。
顔が少しだけ、疲れているみたいに見える。
長い睫毛が綺麗…。さらさらの髪を起こしてしまわないように注意しながら、こっそり撫でてみる。それから、自分の人差し指にキスをして、有史さんの頬にその指先を、そっとあてた。
朝がくる前に、有史さんが目を覚ます前に、もう行かなきゃ。
「こら…。どこ行くんだ…。」
ベッドから足を下ろした瞬間、そう言われて、ベッドの中に引き戻された。ちっ、髪なんか触らなきゃ良かったっ!
「仕事に行くの。だから手を離して。」
「お前は……。夜中の3時に出社する奴がどこにいる。大人しく寝とけ。……チケットはキャンセルしたぞ…。」
はい?今、何て?
「なんで…。知ってるの?」
「専務から連絡がきた。会社の経費で、私用で海外に行くな…。せめて自分のカードを使え…。」
「…………。」
中田さんに、お仕事ですか?と聞かれて、勿論と答えたのがまずかったの?