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私は犬
第30章 主導権*
火曜日

女性特有の、毎月のイベント2日目で体調は最悪。この鎮痛剤を製造して下さっている会社の株を買おう…。株式投資で大切な事は儲かる、儲からないじゃない。その会社に、50年100年先の未来も存続していて欲しいか、否かだと思う。この鎮痛剤が無くなったら、私、困るもの…。

ノブレス・オブリージュの精神みたいな価値観は、大切だと思うの。そういう、見返りを求めない信念が、人を人として保ってくれているのだろうから。

じゃなくちゃ、人類なんぞ、ただの地球破壊飲み食い兵器に成り下がる。おじ様もそう仰っていた。

株価指数とにらめっこしていると、相変わらずの剛ちゃんがやってきた。

「おはよう仔猫ちゃん。」

今日のテンションは普通ね。昨夜はDVD見なかったのかしら?お靴は…お靴も普通だわ。ちょっとつまんない。

ちょっと待て!何でコンバースがハイヒールになってんの?しかも黄色?緑のシャツとパンツに黄色い靴に赤いネクタイ……。近寄るな危険、って感じだわ…。

「どうしたの仔猫ちゃん。近頃、お肌艶々してるじゃない。羨ましいわ。はぁーっ。」

剛ちゃんがため息吐くなんて。何か悩み事でもあるのかしら?

「おはよう剛ちゃん。何かあったの?」
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