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私は犬
第30章 主導権*
カヴァ1杯じゃ、とても持たない…。精神が。
「…でね、この子ったらさぁ…1人じゃ来れないとか言い出してぇ…。私に泣き付いてきたわけ。」
「九宝さん、次、何を飲む?」
グラスの残りが少なくなったのを見て、気を利かせた神部君が、そう聞いてくれた。このお店で1番強いお酒をください!と叫びたいのを我慢して、「何でもいいです。お任せします。」と、無難な返事をする。
「白ワインでいい?」
神部君がオーダーしている横で、「私赤ワイン!」と鮎川さんが口を挟んだ。
なんだかな、もう…。喋りまくる鮎川さんを見て、お酒を飲む相手はきちんと選ぼうと心に誓った。
何をどう口にしたのか、さっぱり分からないままに8時を過ぎて。私はそろそろ帰らなきゃいけない。場の雰囲気を壊すようで申し訳ないけど、これはきちんと口にしなくちゃ。
「すみません。私、そろそろ時間なので…。」
「まさか門限あるとか?」
小林さんがそう言って、驚いた顔をするから、次の言葉が継げなくなった。
「俺、送るよ。」
神部君は小林さんと顔を見合せて、席を立った。
「ちょっと神部君!まだ帰るなっ!」
暴れそうな鮎川さんを小林さんがなだめている。逃げるなら今のうちかも…。
「ごめんなさい。お先に失礼します。」
「…でね、この子ったらさぁ…1人じゃ来れないとか言い出してぇ…。私に泣き付いてきたわけ。」
「九宝さん、次、何を飲む?」
グラスの残りが少なくなったのを見て、気を利かせた神部君が、そう聞いてくれた。このお店で1番強いお酒をください!と叫びたいのを我慢して、「何でもいいです。お任せします。」と、無難な返事をする。
「白ワインでいい?」
神部君がオーダーしている横で、「私赤ワイン!」と鮎川さんが口を挟んだ。
なんだかな、もう…。喋りまくる鮎川さんを見て、お酒を飲む相手はきちんと選ぼうと心に誓った。
何をどう口にしたのか、さっぱり分からないままに8時を過ぎて。私はそろそろ帰らなきゃいけない。場の雰囲気を壊すようで申し訳ないけど、これはきちんと口にしなくちゃ。
「すみません。私、そろそろ時間なので…。」
「まさか門限あるとか?」
小林さんがそう言って、驚いた顔をするから、次の言葉が継げなくなった。
「俺、送るよ。」
神部君は小林さんと顔を見合せて、席を立った。
「ちょっと神部君!まだ帰るなっ!」
暴れそうな鮎川さんを小林さんがなだめている。逃げるなら今のうちかも…。
「ごめんなさい。お先に失礼します。」