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私は犬
第30章 主導権*

ざっと見積もった自分の分の料金を、お皿の陰にそっと忍ばせて席を離れた。
店外に出ると、生ぬるい空気の中をシトシトと小雨が降っている。私、傘持って無い…。困っていると、「大通りまで一緒に歩こう。」と神部君が傘を差し出してくれた。お断りするのもアレだし、1つの傘に2人で入って歩く事にした。神部君の顔が近い…。
「九宝さんは顔に出ないね。」
出ないってお酒の影響かな?
「そうかも知れません。」
「家、どっち方面?」
「会社から遠くないです。」
「そう…。少し酔いを覚ましてから帰らない?あそこでお茶でも…。」
神部君の視線の先にはフランチャイズのカフェがあった。神部君の顔、少し赤いし、酔って辛いのかもしれない。少し休んだら楽になるかも。
「はい。30分位しか居られませんけど。少し休みましょう。」
カフェに入って飲み物を頼む。神部君が「好きな物頼んで。」と言ってお財布を出すから、同じ物をお願いした。
苦くて酸っぱいアイス珈琲を一口飲んで、失敗だった事に気が付いたけど顔に出せない…。こりゃ参った。
「ずっと九宝さんと、こうして話たかったんだよね。」
酸っぱい珈琲飲みながらお話したかったなんて、神部君は変わってる…。
「去年の今頃だったね。九宝さんが休職したの。あれからずっと気になってたんだ。」
「何でですか?」
店外に出ると、生ぬるい空気の中をシトシトと小雨が降っている。私、傘持って無い…。困っていると、「大通りまで一緒に歩こう。」と神部君が傘を差し出してくれた。お断りするのもアレだし、1つの傘に2人で入って歩く事にした。神部君の顔が近い…。
「九宝さんは顔に出ないね。」
出ないってお酒の影響かな?
「そうかも知れません。」
「家、どっち方面?」
「会社から遠くないです。」
「そう…。少し酔いを覚ましてから帰らない?あそこでお茶でも…。」
神部君の視線の先にはフランチャイズのカフェがあった。神部君の顔、少し赤いし、酔って辛いのかもしれない。少し休んだら楽になるかも。
「はい。30分位しか居られませんけど。少し休みましょう。」
カフェに入って飲み物を頼む。神部君が「好きな物頼んで。」と言ってお財布を出すから、同じ物をお願いした。
苦くて酸っぱいアイス珈琲を一口飲んで、失敗だった事に気が付いたけど顔に出せない…。こりゃ参った。
「ずっと九宝さんと、こうして話たかったんだよね。」
酸っぱい珈琲飲みながらお話したかったなんて、神部君は変わってる…。
「去年の今頃だったね。九宝さんが休職したの。あれからずっと気になってたんだ。」
「何でですか?」

