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私は犬
第32章 我慢の限界*
チューリッヒ空港に着くと、想像していたより利用客が少なくて安堵する。今日が平日で良かったとしみじみ思った。とんでもなく混雑しまくっている空港なんて、利用したくない。
「何で日曜出発にしなかったのよ…。昨日も今日も似たようなもんじゃない。」
荷物をカラカラ引きながら、剛ちゃんってば、ここでも文句ばかり。分かってないなぁ…。まったく。
「スイスは日曜日、お店が全て閉まるの。スーパーもデパートもレストランも全部。でも空港内のお店はやっているから、近隣の人がここに集まるの。わかる?観光客+近隣住民。嫌になる程混雑するの。」
東京のように、人が多いだけならいい。日本以外では混雑=盗難リスクの増加。だから気を付けなきゃいけない。気を付けてたって荷物を盗られるのよ。盗難手続きなんかに煩わされるのは御免だわ。
「ほーんと、いつ来ても素敵な街ねぇ…。到着するなり、ホルンとヨーデルの音楽でお出迎えだなんて、気が利いてるわぁ〜。」
人がせっかく説明してあげたのに、なぁんにも聞いてないんだから。全く…。
到着ロビーに向かうと、はおば様の秘書の春木さんの姿があった。
「居たわよ!キャー春るん、相変わらずダンディーねぇ!」
「何で日曜出発にしなかったのよ…。昨日も今日も似たようなもんじゃない。」
荷物をカラカラ引きながら、剛ちゃんってば、ここでも文句ばかり。分かってないなぁ…。まったく。
「スイスは日曜日、お店が全て閉まるの。スーパーもデパートもレストランも全部。でも空港内のお店はやっているから、近隣の人がここに集まるの。わかる?観光客+近隣住民。嫌になる程混雑するの。」
東京のように、人が多いだけならいい。日本以外では混雑=盗難リスクの増加。だから気を付けなきゃいけない。気を付けてたって荷物を盗られるのよ。盗難手続きなんかに煩わされるのは御免だわ。
「ほーんと、いつ来ても素敵な街ねぇ…。到着するなり、ホルンとヨーデルの音楽でお出迎えだなんて、気が利いてるわぁ〜。」
人がせっかく説明してあげたのに、なぁんにも聞いてないんだから。全く…。
到着ロビーに向かうと、はおば様の秘書の春木さんの姿があった。
「居たわよ!キャー春るん、相変わらずダンディーねぇ!」