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私は犬
第33章 さよなら
お嬢さんの方の春木さんも出社してきて、いつの間にか業務が始まった。書類をあれこれ片付ける。今日は、営業部に顔を出している暇は無さそう…。

「そういえば、子供にまでお土産ありがとうございました。」

そう中田さんに言われたけれど、お土産を渡した覚えが無い。何の事だろう?

「奥様のお宅の野村さんが、真子さんからと言って、わざわざ届けて下さって。ピノキオのでっかい人形とか、マーブル紙とか、お化粧品まで沢山入っていて、びっくりしましたよ。」

「あ、私も頂きました。ブランドコスメの他に、ノッベラ薬局やロクシタンのバスライン一式。あんなに沢山、ありがとうございます。軽く、1年分はありましたよ。」

春木さんまで?ピノキオのでっかい人形にマーブル紙…?それって、おば様が秘書さん達へ嫌がらせする為に、方々へ買いに行かせた、あれこれでは?

まさか、そんな事を口にする訳にもいかず、適当に辻褄を合わせた。お店が開ける位あったから、こうやって、あちこちに配ったんだわ…。秘書って大変なお仕事なのね。

「そういえば近藤さん、暫く向こうに滞在なさるんですよね。」

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