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私は犬
第33章 さよなら
メイクや髪型を、何時間も猛特訓させられたのは、こういう時のためだったのかもしれない。粉を足して、チークを入れて。リップの色を少しだけ濃くする。マスカラを適当に塗って、あ、アイライン忘れた…。
剛ちゃんのお手本の中をから、適当な物を選ぶ。クローゼットへ入ると、あろう事か綺麗な色系の洋服しか掛かっていなかった。やられた…。
仕方なく、お手本通りにコーラルのパンツに白いジャケットを合わせた。お手本の中の派手目なコーデは、執務室から出ない日に着ればいい…。
ピンクも赤も黄色も花柄も、苦手なんだってば…。何で分かってくれないのかしら?着替えてクローゼットから出ると、早速、春木さんに撮られた。
「この調子で、明日もお願いしますね。」
こういう時、何て返せば良いのだろう…。醜い格好で居たいわけじゃない。美しくありたいと思う。でも、世間の美しい基準と、私の美しい基準が、うまく噛み合わない。どれもこれも、派手に思えて落ち着かない。特に暖色系…。
「真子さん、これにサインお願いしますね。」
中田さんが、またとびきりの笑顔で、資料を机に積んで行った。これ、孝徳さんに持ってく書類だ…。こっちは四半期決算書。これはちゃんと読まないとマズイ…。
剛ちゃんのお手本の中をから、適当な物を選ぶ。クローゼットへ入ると、あろう事か綺麗な色系の洋服しか掛かっていなかった。やられた…。
仕方なく、お手本通りにコーラルのパンツに白いジャケットを合わせた。お手本の中の派手目なコーデは、執務室から出ない日に着ればいい…。
ピンクも赤も黄色も花柄も、苦手なんだってば…。何で分かってくれないのかしら?着替えてクローゼットから出ると、早速、春木さんに撮られた。
「この調子で、明日もお願いしますね。」
こういう時、何て返せば良いのだろう…。醜い格好で居たいわけじゃない。美しくありたいと思う。でも、世間の美しい基準と、私の美しい基準が、うまく噛み合わない。どれもこれも、派手に思えて落ち着かない。特に暖色系…。
「真子さん、これにサインお願いしますね。」
中田さんが、またとびきりの笑顔で、資料を机に積んで行った。これ、孝徳さんに持ってく書類だ…。こっちは四半期決算書。これはちゃんと読まないとマズイ…。