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私は犬
第33章 さよなら
湯井さんはそう言うと、新しい担当の方を紹介して下さった。
「剛ちゃんも寂しがるわね。湯井さんの事大切にしていたから…。」
「オーナーには、本当に良くして頂きました…。引っ越して落ち着いたら、小さな店舗でいいから開業しろって。そう言ってくれて…。」
うん…。剛ちゃんなら言いそう。
「湯井さんなら、出来ると思うわ。」
「ありがとうございます。美容の免許やネイル検定、無駄にしない為にも頑張ります。」
湯井さん達は、1時間程で施術を終えて帰って行った。
湯井さんは、爪の型をとるのが上手で、そうやって作ってくれた沢山のネイルチップは、パーティーの度に活躍した。
私の為の沢山のヘアアレンジも考えてくれた。
チップの装着の為に、いつもホテルの準備部屋まで来てくれていて、やっと仲良くなれたと思ったのに、さよならしなきゃならないなんて。
剛ちゃんは、自分が関わった子達が独立するのを喜ぶ裏で、時々ベソかいている…。『言ったら怒るわよっ』って言いながらビール飲んで泣く事もある。今回もきっと、泣くんだろうな…。
そんな事を考えながら、業務を消化していた時、ふと有史さんの言葉が頭の中で甦った。
「剛ちゃんも寂しがるわね。湯井さんの事大切にしていたから…。」
「オーナーには、本当に良くして頂きました…。引っ越して落ち着いたら、小さな店舗でいいから開業しろって。そう言ってくれて…。」
うん…。剛ちゃんなら言いそう。
「湯井さんなら、出来ると思うわ。」
「ありがとうございます。美容の免許やネイル検定、無駄にしない為にも頑張ります。」
湯井さん達は、1時間程で施術を終えて帰って行った。
湯井さんは、爪の型をとるのが上手で、そうやって作ってくれた沢山のネイルチップは、パーティーの度に活躍した。
私の為の沢山のヘアアレンジも考えてくれた。
チップの装着の為に、いつもホテルの準備部屋まで来てくれていて、やっと仲良くなれたと思ったのに、さよならしなきゃならないなんて。
剛ちゃんは、自分が関わった子達が独立するのを喜ぶ裏で、時々ベソかいている…。『言ったら怒るわよっ』って言いながらビール飲んで泣く事もある。今回もきっと、泣くんだろうな…。
そんな事を考えながら、業務を消化していた時、ふと有史さんの言葉が頭の中で甦った。