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私は犬
第10章 お仕事でした

動揺を誰にも悟られないように。やるはずだった作業に戻る。
メモする内容を資料を見ながら必死に、頭でまとめてメモ帳に写しとる。これでいい…。私は大丈夫。絶対に大丈夫。
「九宝さん。」
聞き慣れた声がして顔を向けると、スカートの上に飴が1粒落ちてきた。
「頑張って。気にしちゃ駄目だよ。」
神部君は小さな声で、そう告げて立ち去った。
神部君が机の中のコレの犯人だとは考え難い。
渡辺さんに注意された後に、こうして飴をくれる事が、今までにも何度かあったから。
落ち込んでいると思って慰めてくれているのだと思う。
タイミングが…。
こんなタイミングで。頑張って。なんて言われたから。胸の奥がギューっとなって。喉が貼り付いたみたいに苦しくて。瞬きをしたらきっと……。
ごめんなさい。あの時、少し怖いって思ってごめんなさい。お腹壊したらどうしようと。そんな失礼な事を考えてごめんなさい。
本当にごめんなさい……。
この飴は食べなくちゃ。せっかく頂いたんだから……。
メモする内容を資料を見ながら必死に、頭でまとめてメモ帳に写しとる。これでいい…。私は大丈夫。絶対に大丈夫。
「九宝さん。」
聞き慣れた声がして顔を向けると、スカートの上に飴が1粒落ちてきた。
「頑張って。気にしちゃ駄目だよ。」
神部君は小さな声で、そう告げて立ち去った。
神部君が机の中のコレの犯人だとは考え難い。
渡辺さんに注意された後に、こうして飴をくれる事が、今までにも何度かあったから。
落ち込んでいると思って慰めてくれているのだと思う。
タイミングが…。
こんなタイミングで。頑張って。なんて言われたから。胸の奥がギューっとなって。喉が貼り付いたみたいに苦しくて。瞬きをしたらきっと……。
ごめんなさい。あの時、少し怖いって思ってごめんなさい。お腹壊したらどうしようと。そんな失礼な事を考えてごめんなさい。
本当にごめんなさい……。
この飴は食べなくちゃ。せっかく頂いたんだから……。

