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陽炎ーカゲロウー
第2章 初夜
「もうちっと熟れてるかと思ったのによ…お前歳は幾つだ?」

「十、八…」

「十八ィ⁉︎ 十八なら一人や二人咥えこんでたっておかしくねぇだろうによ。…その面相のせいか…その火傷は幾つん時だ?」

「十一」

そういうことか、と呟き、市九郎はふて寝を決め込んだようだった。

用無し、ということか。

ここを放り出されても、また元の生活に戻るだけ。

まぁ、俺のオンナになれ、などと言ってくれる酔狂な男は今生現れぬだろうが…

それは少し残念に感じた。

赤猫が衾から出ようと身を捻った時、市九郎がガッと腕を掴んだ。

「どこ行く気だ?」

「どこって。私にはもう用はないのだろう?出て行くだけだ。」

「ンなこと誰が言った?お前はもう俺のモンだ。勝手なことすんじゃねぇぞ」

そう言うと、再び赤猫の上にのしかかった。

「赤猫、俺ァな、懇切丁寧に教える、なんてなぁ苦手だ。だからいつも通りやる。最初は痛いがじき慣れる。お前は、身体で、俺の悦ばせ方を覚えろ」

こんな体勢で、否も応もあるわけがなかった。ただこくりと頷くのが精一杯だった。。。

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