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陽炎ーカゲロウー
第2章 初夜
再び、唇を奪われる。

唇は顎、耳、首筋へと滑って行く。

くすぐったい、やめて欲しいという思いと、続けて欲しいというあい反した思いに 赤猫自身が驚いた。



腰巻の中にまた手が侵入してくるが、今度は市九郎の脚が間にあるので閉じる事ができなかった。
市九郎の指が、ある一点に触れた時。



⁉︎



頭の奥がジン、と痺れたような初めて感じる、
不思議な感覚。



市九郎の指が動くたび、痺れるような快感が押し寄せ、知らず吐息が漏れる。


その反応に、


「生娘でもココはいいのか?」

と市九郎が、片眉を吊り上げ、ニヤリと笑った。


強すぎる快感に頭がおかしくなりそうだ。

執拗に動く指から逃れようと腰を動かす。


逃げ切れぬ己の動きが指の動きと相俟って更に快感を増幅させる。


どうすればいいのかわからず、ただ切ない啼き声をもらすうち。


突然、パッ、と頭の中が真っ白になった。


脚がピンとつり、浅い息を繰り返す赤猫に、市九郎は再びニヤリと口角を吊り上げ、上唇をペロリと舐める。


「気ィ遣ったか?なら、もういいな?」
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