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陽炎ーカゲロウー
第3章 朝餉
昼間は特にすることなく、ごろごろと過ごした。
市九郎は地図のようなものを手に考え込んでいる。
「なにしてんの?」
覗き込むと、
「仕事の仕度だ。邪魔すんな」
と一蹴された。
夕刻。
市九郎が出掛けた後、ガラリと戸が開き、大きな木桶を担いだ男たちが入ってきた。
赤猫は慌てて衝立の後ろに隠れ、様子を伺う。
男たちは木桶を土間に据えると、踏み台を設え、出て行った。
入れ替わるように、天秤棒を担いだ男が現れる。
天秤棒の先には湯気の立つ木桶が括られている。
男は桶の中身を据えられた木桶にザアッと流し入れ、出て行った。
同じ天秤棒を担いだ違う男が、同じように湯を溜め、帰って行く。
何度かそれが繰り返され、木桶がいっぱいになると誰も来なくなった。
市九郎は地図のようなものを手に考え込んでいる。
「なにしてんの?」
覗き込むと、
「仕事の仕度だ。邪魔すんな」
と一蹴された。
夕刻。
市九郎が出掛けた後、ガラリと戸が開き、大きな木桶を担いだ男たちが入ってきた。
赤猫は慌てて衝立の後ろに隠れ、様子を伺う。
男たちは木桶を土間に据えると、踏み台を設え、出て行った。
入れ替わるように、天秤棒を担いだ男が現れる。
天秤棒の先には湯気の立つ木桶が括られている。
男は桶の中身を据えられた木桶にザアッと流し入れ、出て行った。
同じ天秤棒を担いだ違う男が、同じように湯を溜め、帰って行く。
何度かそれが繰り返され、木桶がいっぱいになると誰も来なくなった。