この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
陽炎ーカゲロウー
第6章 動
組織の事も少しずつ判ってきた。
三十人ほどの男ばかりの集団である事。
市九郎を筆頭に、三人の幹部がいる事。
下調べや計画は全てその四人に委ねられ、後は実行部隊だ。
市九郎は直接現場で陣頭指揮をとる。
組織には掟が幾つかあった。
計画以外の盗み、拐かしはご法度。
組織に仇なす人間の連行は許されるが、その処遇は市九郎が決める。
つまり、赤猫を襲おうとしたヤソジら三人は、禁を犯したことになる。
必要以上の殺生も許されない。時間を食い、痕跡を残し、恨みを生めばその分足がつく可能性が高くなるからだ。
実行部隊はならず者の集まりだったが、市九郎の統率力は並ではなかった。
組織に名はなかったが、周到な計画のもと、突然現れ、計画を遂行し、跡形もなく消えることから、巷では、陽炎の如き、と言われ、いつしか盗賊団『陽炎』と呼ばれていた。
三十人ほどの男ばかりの集団である事。
市九郎を筆頭に、三人の幹部がいる事。
下調べや計画は全てその四人に委ねられ、後は実行部隊だ。
市九郎は直接現場で陣頭指揮をとる。
組織には掟が幾つかあった。
計画以外の盗み、拐かしはご法度。
組織に仇なす人間の連行は許されるが、その処遇は市九郎が決める。
つまり、赤猫を襲おうとしたヤソジら三人は、禁を犯したことになる。
必要以上の殺生も許されない。時間を食い、痕跡を残し、恨みを生めばその分足がつく可能性が高くなるからだ。
実行部隊はならず者の集まりだったが、市九郎の統率力は並ではなかった。
組織に名はなかったが、周到な計画のもと、突然現れ、計画を遂行し、跡形もなく消えることから、巷では、陽炎の如き、と言われ、いつしか盗賊団『陽炎』と呼ばれていた。