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陽炎ーカゲロウー
第1章 邂逅
ドカッ!
という音と共に、両肩を抑える男が倒れ、肩が軽くなった。
男は声もなく、股間を抑えてのたうちまわっている。
そのまま、馬乗りの男の鳩尾にも足先が飛び、男がふッ飛んだ。
最後の鎖骨を抑えていた男は、自ら飛び退いた。
そして、女は自由を得た。
が、腰が抜けたようで、動くことができなかった。
お頭、と呼ばれた男は大柄で、長い髪を後ろで一つに縛っている。着物の上に熊か何かの毛皮の羽織を引っ掛けていた。
男は不機嫌そうに、
「お前ら、掟を知らねェワケじゃねぇだろうが!
勝手に手ェ付けてんじゃねぇぞ!
せいぜいアジトに持ち帰る前に楽しんじまおうって魂胆だったんだろうけどよ、浅えんだよ、考えが!
こんな、アジトの目と鼻の先で騒ぎ起こして、人にバレたらどうするつもりだ⁉︎
騒ぎたきゃア組抜けて外で勝手にやりやがれ!」
男たちは項垂れたまま、言葉もない。
それでも、馬乗りになっていた男は不服そうに噛み付く。
「こ、この女は俺らの獲物だ、お頭には関係ねぇや」
その言葉に、男は、ほぅ?と首を捻った。
「ヤソジ、てめぇはよ、何時から俺に口答え出来るほど偉くなった、あぁ⁉︎」
そう言ってヤソジ、と、呼んだ馬乗りの男の髷をガッと掴む。
「ヒトだろうがモノだろうが、獲物は一旦俺んトコに集めんのが掟だ!
配分は俺が決める。
お前ら三下の出る幕じゃねぇわかったか‼︎」
「わかったらとっとと去ね!」
男はヤソジの髷を離しざま、再び胸板を蹴った。
三人は泡を食って逃げていく。
そして、その場には、ふたりだけが、残された。
という音と共に、両肩を抑える男が倒れ、肩が軽くなった。
男は声もなく、股間を抑えてのたうちまわっている。
そのまま、馬乗りの男の鳩尾にも足先が飛び、男がふッ飛んだ。
最後の鎖骨を抑えていた男は、自ら飛び退いた。
そして、女は自由を得た。
が、腰が抜けたようで、動くことができなかった。
お頭、と呼ばれた男は大柄で、長い髪を後ろで一つに縛っている。着物の上に熊か何かの毛皮の羽織を引っ掛けていた。
男は不機嫌そうに、
「お前ら、掟を知らねェワケじゃねぇだろうが!
勝手に手ェ付けてんじゃねぇぞ!
せいぜいアジトに持ち帰る前に楽しんじまおうって魂胆だったんだろうけどよ、浅えんだよ、考えが!
こんな、アジトの目と鼻の先で騒ぎ起こして、人にバレたらどうするつもりだ⁉︎
騒ぎたきゃア組抜けて外で勝手にやりやがれ!」
男たちは項垂れたまま、言葉もない。
それでも、馬乗りになっていた男は不服そうに噛み付く。
「こ、この女は俺らの獲物だ、お頭には関係ねぇや」
その言葉に、男は、ほぅ?と首を捻った。
「ヤソジ、てめぇはよ、何時から俺に口答え出来るほど偉くなった、あぁ⁉︎」
そう言ってヤソジ、と、呼んだ馬乗りの男の髷をガッと掴む。
「ヒトだろうがモノだろうが、獲物は一旦俺んトコに集めんのが掟だ!
配分は俺が決める。
お前ら三下の出る幕じゃねぇわかったか‼︎」
「わかったらとっとと去ね!」
男はヤソジの髷を離しざま、再び胸板を蹴った。
三人は泡を食って逃げていく。
そして、その場には、ふたりだけが、残された。