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陽炎ーカゲロウー
第7章 八尋
私と頭領が出会ったのは、今から十三年程も前になりましょうか。
私が十五か十六の時。頭領は二十歳くらいでした。
まだこの組織はなく、頭領は独りで仕事をしておりました。
私が囲われている屋敷に、頭領が忍び入り、逃走経路に、地下にある明かり取りの格子窓を選んでおりました。
地下の天井近くに、明かりと風を入れるための小さな窓があり、そこは守りが手薄だったのでしょう。
頭領が地下を通りかかったとき、私は主とのおつとめを終え、地下に居室として与えられた檻の中でぼんやりとしておりました。
前を通りかかった頭領は、自分より少し若い男が、素っ裸で目の焦点も合わずに座っていることに驚かれたようでした。
「お前、なんで裸なんだ?着るもんねぇのか?夜は冷えるぜ」
「え、あ、あぁ、着るものか、あるよ…」
誰だろう、と思いながら、それもどうでも良かった。
ただ、寒さは感じたので、与えられた着物を出してきました。
するとそれを見た頭領が、
「お前そんなんしか持ってねえのか?」
と聞いてきたんです。
私に与えられたのは、派手な女物の着物だけでした。
私が十五か十六の時。頭領は二十歳くらいでした。
まだこの組織はなく、頭領は独りで仕事をしておりました。
私が囲われている屋敷に、頭領が忍び入り、逃走経路に、地下にある明かり取りの格子窓を選んでおりました。
地下の天井近くに、明かりと風を入れるための小さな窓があり、そこは守りが手薄だったのでしょう。
頭領が地下を通りかかったとき、私は主とのおつとめを終え、地下に居室として与えられた檻の中でぼんやりとしておりました。
前を通りかかった頭領は、自分より少し若い男が、素っ裸で目の焦点も合わずに座っていることに驚かれたようでした。
「お前、なんで裸なんだ?着るもんねぇのか?夜は冷えるぜ」
「え、あ、あぁ、着るものか、あるよ…」
誰だろう、と思いながら、それもどうでも良かった。
ただ、寒さは感じたので、与えられた着物を出してきました。
するとそれを見た頭領が、
「お前そんなんしか持ってねえのか?」
と聞いてきたんです。
私に与えられたのは、派手な女物の着物だけでした。