この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
陽炎ーカゲロウー
第7章 八尋
地下の明かりは薄暗く、おそらく身体まではしかと見えていなかったとおもいます。
ただ、女ではないのに女物の着物を着、地下牢に押し込められている状況から、私の身の上を察したようで、
「お前、ここから出たいか?」
と、いきなり聞いてきました。
「俺には時間がねぇ。お前がこのままココに居たいってんなら、俺は行く。だが、出てぇってんなら今すぐ出してやる。どうするかはお前が決めろ。」
その時の私には、頭領の言葉の意味がよくわからなかったのですが、それでも初めて、おつとめ以外で外に出る、ということをぼんやりと考えました。
そして、思わず、
「出たい」
と言いました。
頭領は、
「わかった。ちと待ってろ」
と言って、懐から金串のようなものを出し、錠に差し込んでカチャカチャやり始め、ほどなくして、カチッと音がしたんです。私を閉じ込めていた檻の錠は、頭領の手に掛かればいとも簡単に開いてしまったのです。
頭領は、私を檻から出してくれ、そのまま、天井近くの小窓の下まで、私の手を引いていき、鍵爪付きの縄を外に投げて、私を背負って登り始めました。
小窓はあらかじめ外から細工してあったたようで、わけなく外れました。
「この窓は一人ずつじゃねぇと出られねぇ。まずお前が出ろ。俺の肩を足場にすりゃ出られんだろ」
私は言われた通り、頭領の背中から肩に登って、小窓から外に出ました。
その後頭領が出てきて、私達は二人で逃げました。
「お前、走れんのか?」
「わからない…」
「ちんたら歩ってる暇ァねぇんだ。走れねぇならもっかいおぶされ。」
私は言われるままに頭領の背にしがみつきました。
「走るぞ。舌噛まねぇようにしっかり歯ァ食いしばっとけ!」
頭領は、私を背負ったまま、すごい速さで走りました。
どこをどう走ったのか、よくはわからないのですが、しばらく走った後、山の中の、小屋のようなところに辿り着きました。
ここが最初に過ごした頭領のアジトでした。
ただ、女ではないのに女物の着物を着、地下牢に押し込められている状況から、私の身の上を察したようで、
「お前、ここから出たいか?」
と、いきなり聞いてきました。
「俺には時間がねぇ。お前がこのままココに居たいってんなら、俺は行く。だが、出てぇってんなら今すぐ出してやる。どうするかはお前が決めろ。」
その時の私には、頭領の言葉の意味がよくわからなかったのですが、それでも初めて、おつとめ以外で外に出る、ということをぼんやりと考えました。
そして、思わず、
「出たい」
と言いました。
頭領は、
「わかった。ちと待ってろ」
と言って、懐から金串のようなものを出し、錠に差し込んでカチャカチャやり始め、ほどなくして、カチッと音がしたんです。私を閉じ込めていた檻の錠は、頭領の手に掛かればいとも簡単に開いてしまったのです。
頭領は、私を檻から出してくれ、そのまま、天井近くの小窓の下まで、私の手を引いていき、鍵爪付きの縄を外に投げて、私を背負って登り始めました。
小窓はあらかじめ外から細工してあったたようで、わけなく外れました。
「この窓は一人ずつじゃねぇと出られねぇ。まずお前が出ろ。俺の肩を足場にすりゃ出られんだろ」
私は言われた通り、頭領の背中から肩に登って、小窓から外に出ました。
その後頭領が出てきて、私達は二人で逃げました。
「お前、走れんのか?」
「わからない…」
「ちんたら歩ってる暇ァねぇんだ。走れねぇならもっかいおぶされ。」
私は言われるままに頭領の背にしがみつきました。
「走るぞ。舌噛まねぇようにしっかり歯ァ食いしばっとけ!」
頭領は、私を背負ったまま、すごい速さで走りました。
どこをどう走ったのか、よくはわからないのですが、しばらく走った後、山の中の、小屋のようなところに辿り着きました。
ここが最初に過ごした頭領のアジトでした。