この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
陽炎ーカゲロウー
第7章 八尋
深夜に、小屋に辿り着き、その日はそのまま、そこで寝ました。
布団一つない、夏場の仮小屋だったようです。

翌朝、頭領は私に自分の着物を貸してくださいました。下帯も渡されたのですが、私は旅芸人一座にいた時からずっと、女物の着物ばかり着ていたので、下帯の締め方がわからず、手に持ったままぼんやりしていました。
「お前、真逆下帯の締め方もわからねぇのか?こうやんだよ」

と頭領が教えてくれた時に、私の身体に、あるべきものがないことに気付いたのでしょう。
頭領は顔を顰めました。
そしてただ、一言。
「これは…あの狸ジジィの仕業か」
とだけ聞いてきました。
私が頷くと、頭領は苦虫を噛み潰したような顔で、
「クソが…!」
と呟き、ギリ、と歯噛みしました。
私は、それまでそういった経験がなかったので、頭領が、私のために怒っているということが今ひとつわかりせんでした。
ただ、頭領の機嫌が悪くなったのだと思って、恐ろしく感じたものです。

頭領はすぐに元の顔に戻り、私に着物を着せると、小屋の中で粥を炊いて、干した魚を焼いて食べさせてくれました。
「お前、名は?」
「八尋」
「八尋か。俺は市九郎だ。」
/100ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ