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陽炎ーカゲロウー
第10章 理由
「市サンの悩みようもしっくりくるだろ?それに、すぐに解散、ってならなかったのはきっと…」
「儂等のせいか…」
鷺は無言で頷く。
「市サンは、俺等を放っぽり出して一人で足抜けできるような人じゃないもの。最後に稼ぐだけ稼いで、俺らに暇金渡して、終わりたかったんじゃないかな」
「…充分、考えられるの…しかし、本当に赤猫殿が原因じゃろうか?市九郎殿がそこまで入れ込んどるようには見受けられんのだが…」
「そりゃわからないよ。市サンだって男だからね。あっちの方が相当具合いいのかもしれないし、ねぇ?」
「下衆が」
「何だよ。あくまで仮説の一つだろ?まぁ、それは冗談としても。市サンが、生き方を考え直すほどの何か、なんだよな…」
「そりゃ傾国のなんとやら、というやつか?それも考えがたいの。赤猫殿はそんな魔性の女には見えぬし。」
「猫ちゃんは魔性なんかじゃないよ。それに市サンはそんな小手先の手管に騙される男じゃない。…だから余計に、純な本気にほだされるんだ」
「まぁ、情の深いお方ゆえの…」
「儂等のせいか…」
鷺は無言で頷く。
「市サンは、俺等を放っぽり出して一人で足抜けできるような人じゃないもの。最後に稼ぐだけ稼いで、俺らに暇金渡して、終わりたかったんじゃないかな」
「…充分、考えられるの…しかし、本当に赤猫殿が原因じゃろうか?市九郎殿がそこまで入れ込んどるようには見受けられんのだが…」
「そりゃわからないよ。市サンだって男だからね。あっちの方が相当具合いいのかもしれないし、ねぇ?」
「下衆が」
「何だよ。あくまで仮説の一つだろ?まぁ、それは冗談としても。市サンが、生き方を考え直すほどの何か、なんだよな…」
「そりゃ傾国のなんとやら、というやつか?それも考えがたいの。赤猫殿はそんな魔性の女には見えぬし。」
「猫ちゃんは魔性なんかじゃないよ。それに市サンはそんな小手先の手管に騙される男じゃない。…だから余計に、純な本気にほだされるんだ」
「まぁ、情の深いお方ゆえの…」