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陽炎ーカゲロウー
第11章 散
さほど大きくない家は、大人五人が寝るには少し手狭ではあったが、鷺と兵衛は壁にもたれて足を投げ出し、八尋は市九郎から少し離れて板間に転がった。
赤猫は市九郎の横に座り、両手で市九郎の手を握る。

気付け薬のせいか、市九郎は眠ることなく、目を開けたままでいる。

目だけで赤猫を確認し、

「赤猫…」

と呼んだ。

「何?」

赤猫が市九郎の顔を覗き込む。

市九郎は空いた左手で、そっとその頭を抱え、赤猫の口唇に自らのそれを押し付けた。

「…もう、抱いてやれねぇかもしれねぇから、な。これで勘弁してくれ。」

赤猫の目に涙が浮かぶ。

それはぱたり、と市九郎の頬に落ち、流れた。

赤猫は握っていた手を離し、市九郎の頬に両手を添えて、丁寧に口唇を重ねる。

八尋が軽い咳払いをし、ごろりと二人に背を向けた。
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