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ゆずの譲れない物
第11章 ●一年生
「楠田さん!」

『ん?…はい?』

一瞬、目があった時、考えるような仕草をとる…

ヤバい!面識ないのに話しかけてしまった…

『えっと…』

困ったような顔で目をジッと見られ

見とれてしまう…

「さっきの、講義一緒だったんだ!」

『あ、そうなんだね』

「よく、分からなかった」

『実は、私も…』

「先生の書くスピードが速くて、上手くノートとれなかったよ」

『あ、そうなの?あの先生は、話しながら書くし、どんどん消すで有名だもんね』

おかしそうにクスクス笑うゆずちゃんから

目が離せない…

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