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ゆずの譲れない物
第10章 ○実感
食事をしても話をしてもお風呂のことが頭から離れない…
どうしよう…

何も話さない私の手を引いて歩き始める…

『港さん!!拒否権は?「ありません」』

かぶせて言い放つ港さん…

「先に入る?後から来る?」

『さ、先に入ります』

「5分後行きます」

柔らかな笑顔が少し怖くなりました…

5分は、記憶がないくらいに急いで洗って湯船につかった

ーーガラーー

後ろを振り向くことができない

シャワーの音が遠く聞こえる…

「ゆずちゃん、そんなに緊張しなくても大丈夫」

湯船に入り後ろから優しく抱きしめてくれる…

『恥ずかしくて、おかしくなりそうです』

「おれも」

港さんも恥ずかしいんだ…

「ゆずちゃん、他の男の前でお酒禁止ね!飲むなら必ず俺がいるときにして!」

『はい…』

「おかしくなりそう」

『え?』

「ごめん…」

訳の分からないことを話ながら

首もとに顔をうずめられる…

『み、みなとさん!!』

「ごめん…待てないかもしれない」

『それは…その…』

「こういう事したくなった」

『きゃっ!』

胸を優しく揉まれ…どうしようもないくらい恥ずかしい…
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