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氷解
第1章 氷解
短いスカートを買って、今流行りの服に身を包む。
周防が選んだ服じゃない。
自ら洋服を選べた事に満足した陽菜子は奈緒と一緒に夜の帳がおりた喧噪の街を歩く。
ネオンが、キラキラして、街ゆく人々の笑う声。
「凄く嬉しくて、楽しい!」
ワクワク、ドキドキして、あまりの嬉しさに微笑む私に、奈緒が「陽菜子っ! 可愛いっ!」って抱きついた。
「これから、周防さんがいない時に、沢山、遊ぼうね!」
「うん!」
周防から解放された喜びの中、陽菜子は奈緒と一緒に待ち合わせの店に向かった。
人通りの多い交差点のところに差し掛かると、スポーツカーの側でたむろしている数人の男女が視界の端に入った。
すれ違う際に
「その子、貴文のオンナ?」
と言った声が聞こえて
「違う。俺と同じとこで、一緒に働いてる子。勝手についてきたんだ」
「そんな言い方、ないでしょ! 周防くん」
って、ーーーーえ?
聞き覚えのある名前、その声に、陽菜子の足が止まった。
ゆっくりと視線を流す。
眼鏡をかけていない周防がいて...陽菜子は目を見開いた。
周防が選んだ服じゃない。
自ら洋服を選べた事に満足した陽菜子は奈緒と一緒に夜の帳がおりた喧噪の街を歩く。
ネオンが、キラキラして、街ゆく人々の笑う声。
「凄く嬉しくて、楽しい!」
ワクワク、ドキドキして、あまりの嬉しさに微笑む私に、奈緒が「陽菜子っ! 可愛いっ!」って抱きついた。
「これから、周防さんがいない時に、沢山、遊ぼうね!」
「うん!」
周防から解放された喜びの中、陽菜子は奈緒と一緒に待ち合わせの店に向かった。
人通りの多い交差点のところに差し掛かると、スポーツカーの側でたむろしている数人の男女が視界の端に入った。
すれ違う際に
「その子、貴文のオンナ?」
と言った声が聞こえて
「違う。俺と同じとこで、一緒に働いてる子。勝手についてきたんだ」
「そんな言い方、ないでしょ! 周防くん」
って、ーーーーえ?
聞き覚えのある名前、その声に、陽菜子の足が止まった。
ゆっくりと視線を流す。
眼鏡をかけていない周防がいて...陽菜子は目を見開いた。