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それでも・・愛してる
第1章 記憶・・
「いつも行くスーパーの店員さんだって。
顔なじみ程度だったのがだんだんと会話が増えて行って、
そのうちお母さんのほうから、だって。
相手ももちろん結婚してたから、だからダブル不倫ってわけ」
「へぇ・・意外と節操なかったんだね、お母さんて・・」
18の小娘にこんな事言われる母を、気の毒に思う。
でも、続けた姉の話を聞いて、今度は同情しながら褒めたい気持ちになった。
「そんなふうになるきっかけを作ったのは、お父さんよ。
お父さんが・・会社の若い女の子と浮気したのを知っちゃったからなんだって。
だから仕返しのつもりだったらしい」
目には目を・・ってやつか。
黙って終わらせなかった母は、女の底力をみせたわけか。
そんなふうに関係が壊れちゃったんなら、とっとと別れちゃえばよかったのに。
でもそこは世間体を気にする父らしく、
私が高校を卒業するまでは離婚せずに夫婦を演じ続けると覚悟を決めたらしい。