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それでも・・愛してる
第1章 記憶・・
どんなに冷え切って、乾ききっていても
この家に帰ってきて、家族のつながりを保っていたのか・・
そんな父と同じように、母もごく普通の妻を演じ続けた。
子どもたちのためにとかなんとか言って・・
結婚って、夫婦って、家族ってなんだろう?
私の中では、一番信用できない関係。
両親の離婚がそう教えてくれたのだった。
それはそれは、深く心に刻みこまれた・・
だからって、ものすごく傷ついたってわけじゃない。
年頃になっても付き合っている恋人と結婚したいとか、考えなかっただけ。
あてにならない事を、そんなに真剣に考える気持ちは、
まったくといっていいほど湧き起こらなかっただけ。
だから、恋人も、そういう時期に無反応だった私に見切りをつけたり諦めたりして
私のもとを去っていった。