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それでも・・愛してる
第9章 姉と過ごす休日・・


ようやく日が暮れてあたりが薄い闇に包まれ始めた頃、
私達はそれぞれの家路についた。

「また近いうちに遊びに来なさいよ」

姉は手を振りながら逆方向のホームへと向かっていった。

すぐに来た電車に乗り込むと、ちょうど空いていた窓際の席に座り、
だんだんと薄墨色に染まっていく空をぼんやりと眺めた。

・・お姉ちゃんの言う通りかも・・

不動産屋に縁があったのは、この機会にちょっと考え直せって、
そういうお告げみたいなものだったのかもしれない、なんて思えてきた。
これまでだって学生時代の友だちや職場の同僚たちの、家族の話なんて
くさるほど聞いてきたし目にしてきたのに、
なんで今になってこんなにも心が揺れ始めたのか。

私も結婚を考えようか・・
誰かのために生きてみようか・・

だけど、時同じくして陽斗の離婚も目の当たりにしてしまった。
やっぱりあてにならないじゃん、夫婦なんて、家族なんて・・
そんな思いを再確認するような出来事にも遭遇してしまった・・

いったい・・なにを選べばいいのよ・・


電車はトンネルへと吸い込まれていく。
私の心も、暗くて細い迷路の中へ引きずり込まれたような気がする・・


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