この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それでも・・愛してる
第9章 姉と過ごす休日・・
「結婚なんてしてみなきゃわかんないわよ。幸せになれるかそうじゃないか・・
だけど、なにもしなかったらそのどちらでもない。でしょ?
だったらしてみればいいじゃない?」
多佳子は今がチャンスとばかりに結婚という言葉をちらつかせた。
「誰かいないの?恋人候補は」
聞かれてすぐに陽斗の顔が思い浮かんでしまったのは、
やはり私の中で彼の存在が大きくなっている証拠なのだろうか・・
「・・いないことも・・ない、かな・・」
姉に見栄はってどうするんだ?って思うけど、
考える間もなく私の口からはそんな言葉が飛び出してしまった。
そういう相手がいるって思い込んでいるだけでも気持ちがかるくなるのは、
なんでだろう・・?
「ほんと?じゃあうまくいったらちゃんと紹介してよ。
お姉ちゃん、楽しみにしてるから」
嬉しそうにビールの泡に口をつけながら、
多佳子は期待いっぱいの眼を細めて笑った。