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それでも・・愛してる
第11章 会えた・・
再び会えた、あの親子。
でもこの店じゃない。
あの親子が来店したちょうど一週間後、
私は午後から案内する賃貸アパートのカギを借りに
駅の反対側にある同業者の所に出向いた。
その不動産屋の店先が見えてくると、
見覚えのある親子の姿が目に留まった。
入り口横の壁面に貼ってある物件案内を、
この前と同じような格好で見入っている。
私は徐々に近づく。
間違いない、あの親子だ。
あの時と同じように、男の子はおとなしく父親と手をつないで寄り添っている。
私は迷わず声をかけた。