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それでも・・愛してる
第12章 私に足りないもの・・
今日案内するお客は、これから結婚するという33歳と30歳の姉さん女房カップル。
年下の彼のほうが主導権を握っているようで、
彼女は終始彼の意見に頷いていた。
この女性・・
初めて来店した時に私が奥様、と声をかけると、
嬉しさに歪んだ口元で目を輝かせていた。
まだ結婚していないのにもう奥様同前と他人から見えることは
相当嬉しいものらしい。
世間様が私のことをこの人の妻だと認めてくれた、
そう確認できたことが喜びの元なのだろうかと、勝手に想像してみた。
彼女の、戸惑いながらも奥様という呼びかけを受け入れた時の顔は、
忘れられないほど幸せでいっぱいの顔だった。