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それでも・・愛してる
第12章 私に足りないもの・・
「ああいうね、人の幸せに立ち会えるっていうのがこの仕事の楽しいところかしらね。
私はそう思っているの。訳ありや面倒な客もいるけどさ、
ああいうお客を見てるとこっちまで幸せな気分になってくるでしょう?」
「・・そうですね」
自分の席に戻り、2人が借りる部屋の間取り図をぼんやりと眺めた。
・・私にとっての幸せって、なに?なんなのよ、陽斗・・
ねぇ、教えてよ・・
私はまた、陽斗に寄りかかろうとしていた。
カウンターの下でコッソリと携帯電話を手にメールを打つ。
・・会いたい、今夜・・
ものすごく短くものすごく意味深な言葉を、
彼はどんなふうにとらえるのだろうか。
私の期待通りの返事を、くれるのだろうか・・
メールを送信しサイドテーブルの見えるところに置いて彼からの返事を待った。
待っている間、仕事はほとんど進まなかった。