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それでも・・愛してる
第2章 新しく進む道・・

私、石田美鈴。39歳。

海外ブランドの化粧品の美容部員をしている。
この仕事をはじめてから14年。
いくら美人だっていったって、やはり年齢は感じさせる。
パッとしない顔立ちの後輩でも、肌のハリ感はどうしても比べられてしまう。
塗りたくるだけの化粧品を売るだけならまだしも、
潤いだのエイジングケアだの、基礎になる肌のために用意された品々をお客に薦めるたびに
自身の肌を引き合いに出さなければならない。

「石田さんて顔だけじゃなくて肌もきれいよねぇ、その歳にしては。
 やっぱり美容部員さんてきちんとお手入れしてるからなのね」

馴染みの客はさらっと失礼な事を言う。

・・その歳にしてはって、なんだよ・・

ペッと吐き捨てるようなつぶやきを、心の中にそっとしまっておく。
それでも艶やかな作り笑いを客に向け、値の張るクリームを目の前に差し出す。
私に薦められることで納得して買っていく客に、
後ろむいて笑いたい気持ちを抑え極上の微笑みで送り出す。

ありがとうございました・・
その背中に投げかけると、すぐ次の客に笑顔を向ける。


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