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それでも・・愛してる
第13章 溢れ出る想い、それぞれ・・
結局・・
陽斗からの返事はこなかった。
7時ちょうどに店を閉め、静江さんを見送りキッチンの片づけをしてから、
残業している男性陣に挨拶をして店を出た。
手のひらの中に握りしめたままの携帯電話は、音を奏でることなくおとなしくしている。
・・今夜はダメか・・
地面に視線を落としながら駅の改札へと向かって歩いていると、
自分の前に立ちはだかる人の気配を感じた。
ムッとして顔をあげると、
「なんだよ、そのムスッとした顔は。美人が台無しだぞぉ」
「・・望月くん」
陽斗だった。
目の前に立っているのは陽斗だった。
自分でも不思議なほど、気持ちの波が大きくうねり始めて、
彼の顔を見つめたまましばらくの間動けないでいた。
おまけに、なぜか泣きそうになってるし・・