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それでも・・愛してる
第14章 充実した休暇・・・あの親子と

息をのんで滝川さんの顔を見つめる。
これもまた、思いもつかないような事情だった。
返す言葉はどうにもこうにも見つからないので、黙ったまま次の言葉を待つことにした。

「だけど必ず戻ってくると信じて待っているんです。
 この子にもそう言って聞かせているんです。ママは帰ってくるからって」

かなり・・込み入った事情だ。
あかの他人が簡単に踏み込むような問題じゃない。
それであんなにうつむいてばかりだったのか・・

「あの・・よかったら聞かせてもらえませんか?詳しい事情を」

私はこの親子の事を、もっと知りたいと思った。
滝川さんと、彼の奥さんとの間にあった出来事を。
またもや夫婦って、家族って、と問いかけなければ気が済まないような
場面に直面してしまったのである。


滝川さんは優太くんのリュックから、ノートと色鉛筆を取り出して、

「お絵かきしておねえさんに見せよう」

彼の意識をお絵かきに向けさせた。

優太くんから私へと視線を移し、
触ったら折れるのではないか、と思わせるような声で話を始めた。


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