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それでも・・愛してる
第14章 充実した休暇・・・あの親子と
お子様ランチを食べたいという優太くんに付き合って、
私も滝川さんも、少し早いけどお茶ではなく食事をすることにした。
この親子といきなり食事をすることになるなんて、想像すらしていなかった。
はじめて食事をする男のかたわらには幼い子。
今までに経験の無いシチュエーション。
おかげで周りの騒々しさも、いつの間にか気にならなくなっていた。
オーダーを済ませるとさっそく、彼にむかって気になっていたことを聞きはじめた。
「あの・・聞いてもいいかしら?」
「はい、なんでしょう?」
「うちの店にいらした時・・優太くんのママの話をした時・・
何か事情があるんじゃないかって、思ったんですけど・・」
滝川さんは明らかに動揺している。
ソワソワと落ち着きを失ったように見える。
だが覚悟を決めたようにフッと息を吐いてから、ゆっくりと口を開いた。
「今・・妻はいないんです。家を・・出て行ってしまって・・」