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それでも・・愛してる
第14章 充実した休暇・・・あの親子と
「誰も知らない町で、新しい家で待っていればきっと・・
安心して帰ってこられるだろう・・そう信じているんです」
その時優太くんが父親の顔を仰ぎ見た。
滝川さんは愛おしいわが子の頭を何度も撫でて、
それに応えるように優太くんが笑う。
目の前で親子の間にある愛情と絆を見た。
だが同時に、夫婦という男女のもろさも見せられた・・
「奥様の事・・
どうしてそんなにあっさり許せるんですか?
してはいけない、とわかっていてその男と・・せっかく許してくれるっているのに
罪の意識か何か知らないですけど、優太くんを残して家出したのに・・」
私の頭の中に両親の姿がちらついた。
そして徐々に大きくなって覆いかぶさるように、脳裏いっぱいに広がっていく・・
「それでも・・愛してるんです・・」
「えっ?」