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第14章 充実した休暇・・・あの親子と

私の心の中でなかなか開かなかった錆びついたドアが、
音をたてながら動きだした。

彼は・・滝川さんはうっすらと微笑みを浮かべてもう一度、繰り返す。

「それでも愛してるんです、妻のことを。
　彼女と結婚したのも好きだから、とそれだけの理由です。
　でもそれでいいと思っています」

なんて単純でわかりやすい理由・・

誰でも簡単に口にできる。けど・・簡単に持続させられないものでもある。
うちの両親や陽斗夫婦のように、途中で崩れてしまった夫婦だって、
今じゃめずらしくない。

その一方で、姉の多佳子夫婦のような、今でもその愛を育み続けている夫婦だって
大勢いる。
多佳子の言う通り、陽斗の言う通り、
誰と、がすべての中心だってこと、決定打が今の滝川さんの言葉・・

ゆっくりと、肩の、いや心の力が抜けていくような気がした・・