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第17章 充実した休暇・・今日は２人で

思わす目を見開いて滝川さんの顔を見る。
完璧な演技を見せてくれるなんて、と。

「そのご様子じゃ気にいってもらえたようですね。
　正直言うとさっき見たところよりはこちらのほうがおすすめなんですよねぇ、私も」

得意げに言う男。
だったら先にこっちを見せてくれればよかったのに・・

「いえね、先に良い方見せるより後に見せる方が
　気持ちが決まりやすいんですよ、お客さんの。
　わぁこっちのほうがいいわ～ってね。そういう心理作戦も必要でしてね」

なるほど！的を得た彼の意見に、客としてではなく同業者として大きく頷いた。


これまでの自分の仕事を振り返ってみると、
２、３件の物件案内の時はとりあえず端からくるりと回れるような、
楽なルートで案内している。
他のことはあまり考えず。

そいういえば、大抵の人が迷いだす。
下手すりゃもう一度見てもいいか、と再度見に行く時だってある。
仕事だから面倒だなんて言わないけど、
それを繰り返されたらやっぱり疲れる・・

奥が深い、不動産屋の仕事って・・