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それでも・・愛してる
第17章 充実した休暇・・今日は2人で


店に戻り、手続きのあれこれを説明され、必要な書類の記入を済ませた。
やっと住まいを見つけられたことで、
店を出る時の滝川さんは足取りも軽そうだし緊張感から解放されたようだった。

「あ~よかった、やっと見つかって。本当にホッとしました。
 これもみんな石田さんのおかげです。本当にありがとうございました」

不動産屋が見えなくなるところまで来てから滝川さんは立ち止って深々と一礼した。
そして笑いながら、

「もう頭下げてもいいんですよね?」

からかうような目で私の顔を覗き込む。
初めて見せてくれた無邪気な表情に嬉しくなって、思わず彼の腕に手をまわした。

一瞬身を引いた滝川さんだが、この短期間に2人の間に生まれた絆みたいなものが、
その雰囲気を壊さないようそのまま、されるがままにしていてくれた。

「なんだかこの2日間、本当の夫婦になれたみたい・・
 こちらこそお礼を言いたいです。ありがとうございました」

私も負けじと頭を下げる。
顔をあげた後、2人の視線はゆっくりと絡み合う。
ごく普通の、男と女のように・・

「あ、そうだ。無事に家も保育園も決まったお祝いに・・飲むんですよね?
 付き合い程度なら。ね、いいでしょ?」

私は彼の腕を再び掴んで歩き出した。
引っ張られてる彼も、歩調を私に合わせた。



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