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それでも・・愛してる
第17章 充実した休暇・・今日は2人で


間もなくしてビールと枝豆と厚焼き玉子が運ばれてきた。
店員が格子戸を閉めると同時にグラスを持ち上げ、
お疲れ様でした!と声をあわせてからきめ細やかな泡に口をつけた。
今日のビールは特別美味しい、と滝川さんはつぶやいてからグラスをテーブルに置く。
そして姿勢を正すと、深々と頭を下げた。

「石田さん、このたびは本当にお世話になりました。
 改めてお礼を言います。ありがとうございました」

「そんな・・もう頭をあげてください。
 かえって私のほうがおせっかいが過ぎてしまったんじゃないかって・・
 こちらこそ、いろいろ勉強させていただきました。ありがとうございました」

何十秒か頭を下げたままの2人が、それぞれのタイミングで頭をあげると、ほぼ同時。
思わず吹き出して笑いあう。

「さあ、堅苦しい挨拶はここまでにして。さっそく聞かせてもらえますか?」

彼の優しい瞳にむかって、私はゆっくりと心を語り始めた。



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