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それでも・・愛してる
第17章 充実した休暇・・今日は2人で


私の降りる駅が見えてきた。

暗闇から明かりの中へと入っていく電車のドアの前に立ち、
開かなくてもいいとほんの少し思いながら、前を向いて立つ。
ドアのガラスに映る滝川さんの顔が、どことなく寂しそうに見えた。


ドアが開き、ホームに降りてから彼を振り返り、めいっぱいの微笑で別れを告げる。

「じゃあ、お元気で。お引っ越しもがんばってください。
 優太くんによろしく。あの・・」

その瞬間ドアは閉まった。

あの・・の後、私はなにを言おうとしたのだろう・・
ゆっくりと動き出す電車のドア越しに滝川さんが何か言いながら手を振ってくれている。

なんだろう・・なんて言ってるの?

どんどん遠くなる電車・・
私は手を振り続けながら、彼がなんて言っていたのか、そして
自分が何を言おうとしたのか考えようとしたが・・
その気持ちは電車と同じように、徐々に細く、目の前から消えていった。



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